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健康食品

アガリクスの発がんを促進するニュースに衝撃を受けた人は多いと思います。
私は予想の範囲内だったので驚いてはいませんが、
この毎日新聞の記事には私達消費者が見逃せないところがあって
再度取り上げました。

有名一流企業子会社のキリンウェルフーズ社のやったことは、

効果は研究していない。健康食品は効果を宣伝すれば薬事法違反だから」
と説明している。
効果の検証には億単位の費用がいるといわれており、当然です。
効果をうたえないのに効果検証に高額費用をかける経営者はいないと思います。

「今後、健康食品の安全対策に力を入れる」というが、
費用が課題で具体策はまとまっていない。

厚労省のガイドライン通りに実験すれば、費用は億単位になる。

つまり、効果不明、安全性不明のアガリクスを人気があって売れると
発売したわけです。


法整備と成分研究が遅れていることが主因ですが、
おそらく、日本のほとんどの健康食品会社が同じように売っていると思います。
他の成分も同様でしょう。
新しいものには十分な注意が必要です。
研究が十分進んでいる必須ビタミン・ミネラルや医薬品扱いから食品として
許可されたものは、今回のアガリクスのような問題はないので一安心です。

一般的な健康食品は、
たまたま、健康被害がなかった
たまたま、効いたような気がする
など、運がよいと健康効果があるかも知れない程度だと理解する方が
よさそうに感じます。

サプリメントの規格がないに等しい野放し状態の日本で、効果があって安全・安心な

本当によいものを選ぶのは簡単ではありません。

世の中は広いので、人間で効果を検証、安全性も検証、標準化までされている
夢のまた夢のようなものが密かに一部の人だけに愛用されていることも事実です。

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◇人気のアガリクス
「がんに効く」などと言われ、健康食品として人気の「アガリクス」。だが、厚生労働省は2月、このうち1商品が発がんを促進したとの動物実験結果を発表した。発売元のキリンウェルフーズ社(東京都江東区)は回収に踏み切った。アガリクスは効果があるのか、害はどうなのだろうか。

アガリクスはブラジル原産のキノコの一種で、学名は「アガリクス・ブラゼイ・ムリル」。日本名はカワリハラタケといい、ヒメマツタケなどとも呼ばれる。

◇「顆粒」から発見、発がん促進作用
問題の製品は「キリン細胞壁破砕アガリクス顆粒(かりゅう)」。アガリクスを乾燥させて粉末化し、顆粒状にしたもので、02年に1箱1万500円で発売された。キ社の他のアガリクス製品3種(すべて回収)と合わせ、これまでの売り上げは40億円以上だった。

実験は国立医薬品食品研究所が担当した。発がん物質を投与したラットに「顆粒」を食べさせたところ、食べさせなかったラットに比べ、がんになる割合が高くなった。

同研究所は他の2社の製品でも同じ実験をしたが、異常は出なかった。

とはいえ、調査は広く流通している3社の3製品を抽出して実施しただけで、多くのアガリクス製品に発がん促進作用があるのか、「顆粒」だけなのかは不明のままだ。

厚労省は昨年2月、錠剤やカプセル状の健康食品について、安全性点検のガイドラインを公表した。実施すべき安全性試験として11種類の動物実験を挙げ、健康食品を90日間以上食べさせる実験など最低でも2種類の実施を求めている。

だが、ガイドラインには法的拘束力がない。また「顆粒」発売はガイドラインの発表前だ。キ社はラットに28日間食べさせた実験と論文調査で安全だと判断したという。

◇安全性検証には高額費用が必要
厚労省によると、今回の医薬品食品研の実験費用は数千万円とみられる。ガイドライン通りに実験すれば、費用は億単位になる。

キ社は「今後、健康食品の安全対策に力を入れる」というが、費用が課題で具体策はまとまっていない。

◆副作用の疑い例も
◇効果を示したデータは無し

では、効果はどうか。

キ社は「効果は研究していない。健康食品は効果を宣伝すれば薬事法違反だから」と説明する。

医師グループのキャンサーネット・ジャパン(南雲吉則代表)は昨年、各種の健康食品について医学論文を総ざらいし、「抗がんサプリメントの効果と副作用徹底検証!」(三省堂)という本にまとめた。アガリクスを担当した医師は「がん患者についても健康人についても、効果を示した論文はなかった」と話す。

大阪府立成人病センターの佐々木洋・消化器外科部長らは、がん患者で再発予防効果を試し、昨年の日本肝臓学会で発表した。肝臓がんで手術を受けた患者40人に2年間、毎日3回ずつアガリクスを食べてもらい、食べない40人と比べた。がんが再発しないまま3年間生存できた患者は、食べた人で30%、食べない人で36%だった。佐々木部長は「再発予防効果はなかった。患者には、副作用は出なかったが、効果も期待できないと説明している」と言う。

副作用の疑い例としては、アガリクスを食べて劇症肝炎を起こした乳がん患者など3人のケースを国立がんセンターの医師らが01年の日本癌(がん)治療学会で発表している。こうした報告などが、医薬品食品研の調査のきっかけになった。

国立健康・栄養研究所はアガリクスに対し「ヒトでの有効性と安全性について信頼できる調査結果が見当たらない」との見解をホームページ「健康食品安全情報」で示している。

(出典:毎日新聞)


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